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「稜線の風の如く」犬塚勉

ネットで注文していた、犬塚勉さんの画集「稜線の風の如く」が届いた。

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「稜線の風の如く」犬塚勉

犬塚勉という名を知ったのはつい最近の事。たまたまチャンネルを合わせた「日曜美術館」で、「山の暮らし」が映し出されていた。最初は、アンドリュー・ワイエスの作品かと思って何気なく見ていたのだが、どうも違うと思い、よくよく見ると犬塚勉という画家の作品だった。その他にも何枚も作品を見たが、その描写の緻密さに驚きを感じた。ブラウン管のテレビ画面でさえ、伝わってくる程の緻密さ。ただその画家は、1988年9月26日に谷川岳で遭難し、38歳という若さでこの世を去っている。
番組を見終わった後も、興奮覚めやらず、アマゾンや7&Y、オークション等で作品集を探したが見つからず、ようやく奥多摩総合開発(株)という会社から通販で買う事が出来るという事で、早速注文してようやく作品集が手元に届いた。

どの作品も非常に緻密に描かれている。その対象は隅々の草や背景といった、おざなりになりがちな部分や、木立の中い映る木々の合間に射し込まれる光の強弱や、水面に映るあらゆる物、水の流れ、さらには目に映る全ての物を、そのままに描かれている。さらには、そこの風景全体が醸し出す空気感のような物も表現されている。’私は自然になりたい’そう言って描き続けてきた作品たちが、結晶として、そこに納めらていると言ってもいいかもしれない。
一緒に添付されている制作ノートを読むと、あまりにストイックに制作に没頭していく姿勢は、画家というよりも、どことなく修行僧といった印象すら与える。
そして未完の絶筆「暗く深き警告の入り口1」「暗く深き警告の入り口2」。この作品の制作中に、岩と水の流れを極めるために向かった谷川岳で遭難、尾根にでたところのエビス大黒の頭にて力尽きて永眠となった。享年38歳。

彼にとって絵を描くという事は、自然と向き合うといったものではなく、自分自身も自然の一部ととらえて、そのもの全てを描くことだったのだ思う。尾根で力尽きようとしていた時に、自然との一体感を一番感じた瞬間だったかもしれない。

犬塚勉さんの展覧会は、下記の日程で開催されます、
2009年10月17日(土)〜11月15日(日)
「犬塚勉展」
東御市梅野記念絵画館

日曜美術館のページはこちら、
「私は自然になりたい 画家 犬塚勉」

画集に関しては、犬塚勉画集「稜線の風の如く」

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