アンリ・リヴィエール展
2009年9月5日(土)〜10月12日(月)
フランスの浮世絵師 アンリ・リヴィエール展
神奈川県立近代美術館 葉山館
神奈川県立近代美術館 葉山館で開催中の、フランス人浮世絵師アンリ・リヴィエール展に行ってきた。
フランス人浮世絵師と聞いて正直ピンとはこなかったのだが、ただ一時とはいえパリを中心に、ジャポニズム文化が大流行したことを考えれば、実際にやってみようと思う人もいただろうし、そんなに驚くべき事でもない。要はこっちが知らないだけかもしれない。
そんな彼の作品の特徴は、「さわやかな色彩」「重層的になっている遠近法」等々。後者はまさに浮世絵の技法。「さわやかな色彩」に関しては、お国柄がありますから、逆にこれがオリジナリティといえるかもしれない。その点は彼が、実際に日本に来て日本人から直接指導を受けた訳ではなく、自分なりに研究してある種極めたといえる部分だと思う。
違いが顕著なのが、刷り色の強弱。日本の浮世絵はそれぞれの色をしっかり出す傾向にありますけど、彼の作品はそこまで強くない。そこがさわやかな色彩になっているのだと思う。またそんなに強く刷り込まないことによって、夕暮れ、月明かり、日の出、といった微妙なニュアンスの色の出し方は素晴らしい。新たな発見でした。
それと作品的には、「エッフェル塔三十六景」というのが面白かった。エッフェル等ができるまでを三十六枚の作品で表現してます。特に「建築中のエッフェル塔トロカデロからの眺め」が素晴らしい。それと「エッフェル塔三十六景」はもちろん敬意をこめたオマージュ的な作品です。
さらに、今回の展覧会で、最初に展示してある「亡者の湾」「ギロチン」「傘下の埋葬」の3点が素晴らしかった。この3点はエッチングによる作品ですけど、いきなりインパクトありました。
いろんな発見があって面白い展覧会でした。ただし、作品リストがないというのは、昨今の展覧会を見てもいただけない。どうせ図録に出品リスト載せるんだから、そのデータ流用してプリントでいいと思うのだが。経費の問題とかいろいろあるんでしょうか。それと、ポストカードもう少し種類がほしいかったです。もう少しね。
それと、近くには山口蓬春記念館もありますから、一緒に廻ってみてはいかがでしょうか。
山口蓬春記念館
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