冨田溪仙展
2009年8月8日(土)〜9月23日(水)
京都画壇の風雲児 冨田溪仙展
茨城県近代美術館
この前のシルバーウィーク、JR東日本の「ツーデイパス」を使って、逗子〜葉山と水戸の2カ所美術館巡りをしてきた。逗子〜葉山というのは神奈川県立近代美術館葉山館で開催中の「アンリ・リヴィエール展」、詳しくはこちら。そしてもう一方の水戸方面では、茨城県近代美術館で開催されていた「冨田渓仙展」を見てきた。
冨田溪仙といっても、実は知らないのだが、たまたまネットでいろいろチェックした時に見つけたチラシに引かれて、水戸まで行ってきました。京都画壇の風雲児という大袈裟なコピーは置いといて、相変わらず空いている館内、ゆったり見てきました。
作品の感想を幾つかに分けると、最初にくるのはやっぱり作品の躍動感。「蒙古来襲(試作)」という作品、これ試作なんですけど、試作の段階で凄い臨場感。完成品がないのが残念です、どこへ行ってしまったんでしょうか。完成品見たいなあ、作品の前でしばし呆然なんて、なったかもしれません。また、「麒麟・鳳凰」や「竹に孔雀」等も迫力ありました。あそこまで生き生き描けるというのはやはり凄い。
次にくるのがユーモアというか愛嬌というか何と言うか。見ていて笑ってしまうような、そんな作品たち。「桜に猫図」、普通あそこに猫描かないでしょう。「風神・雷神」も迫力あっていいのだが、どことなくユーモラス。「仙涯和尚像」も笑える。もちろんおかしく描いているわけではないのだろうか、思わず口元が緩む作品たちです。
そしてもう一つが、気品というか優雅さのようなものです。「歳寒三種」や「御宝の桜」は気品あって素晴らしい作品。実は「御宝の桜」を見ているとき、顔を近づけすぎてガラスに額をぶつけてしまいました。いやはやお恥ずかしい。また「三条大橋」という作品は、横山大観の「日本橋」と双図だそうです。この二つの作品比べると、個人的には「三条大橋」の好き。この作品素晴らしいです。
鈍行に揺られて水戸まで行った甲斐がありました。それにしても、知らないだけで素晴らしい画家と言うのは大勢いますねえ。まあ、こういう出会いがあるから、美術館巡りやめられないのかもしれません。
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コメント
memeさん
コメント&TBありがとうございます。
いろんなタイプの作品があり、楽しい展覧会でした。
あの躍動感は素晴らしい!
投稿: イッセー | 2009年10月 3日 (土) 01時06分
こんばんは。
私も少し前に同様に茨城近美と水戸芸、水戸博と回って来ました。
冨田渓仙展は白眉もの。
ちょっとユーモラスな絵もあれば、本格的なものもあり
楽しめましたね。
投稿: meme | 2009年10月 2日 (金) 23時17分