千住博展
千住博展ーフィラデルフィア「松風荘」襖絵を中心にー
2006年12月2日(土)~12月24日(日)
2007年1月5日(金)~3月4日(日)
山種美術館
山種美術館で開催中の、「千住博展ーフィラデルフィア「松風荘」襖絵を中心にー」を見てきた。
松風荘とは、第二次世界大戦後最初の日米文化交流としてアメリカに建てられた和風建築で、現在はフィラデルフィア・フェアモント公園に移築されている。この松風荘の襖には、東山魁夷の作品が描かれていたのだが、日本との気候の違いや保存の仕方等が原因で、今は絵が消滅してしまっている状態です。
今回の展覧会で展示されている作品は、2007年4月に松風荘の新たな襖絵となる作品です。ということは、今回の展示が松風荘以外で公開される最初で最後の機会となります。そういう事もあって、異例のロングランな展覧会なのでしょうか。
今回千住博がこの襖絵のテーマとしたのが、彼の得意とするところの滝です。それとこれは偶然なんですが、この日の朝の新日曜美術館で、この展覧会の特集をしていました。
実際にキャンバスの上から白いインクを流して、滝の水が流れ落ちる感じを出していきます。そして水しぶきの部分は、エアブラシを使って丹念に丹念に吹き付けていきます。そういった作業で作られた作品を見ていると、一本一本の水の流れが、どれも同じ表情でなく、見方によってはオーロラのようであったり、氷のつららのようであったりと、描いているのはただ上から下に水が落ちる滝なんですけど、それぞれがいろんな表情で見ていて飽きない。また、今回はアメリカでの長期保存に耐えられるように、従来の日本画に使う絵具ではなく、アクリルのインクを使っていたのも、印象的でした。
またインタビューで印象的だったのが、力でねじ伏せるといった気概をもって制作にあたらないと、こういった大作は完成しない、という事でした。確かに一心不乱に制作に取り組んでいる時の表情は、ある種格闘家のような表情だったのが印象的でした。
今回の展覧会は、展示作品数は少ないけれど、一点一点のスケールが大きいですから見応えは十分です。3月までやってますから、また見に行きたい。そんな風に思える展覧会です。
| 固定リンク
「展覧会」カテゴリの記事
- 2020年 展覧会ベスト5(2020.12.31)
- 2019年 展覧会ベスト10(2019.12.30)
- 2018年 展覧会ベスト10(2018.12.30)
- 横山操展 〜アトリエより〜(2018.10.15)
- 河井寛次郎展(2018.09.16)
コメント
えみ丸さん
コメント&TBありがとうございます。
やっぱり体力気力は必要だと思います。新日曜美術館で放送された、作業中の千住さんの目は、恐いくらいの形相でした。
投稿: イッセー | 2006年12月19日 (火) 02時15分
TBありがとうございます
こういう大きな作品を作るには、まず体力気力なのでしょうね
本の中で、彼が作品の数だと言っていましたが、数の中から良い物が出てくるという考えでした
投稿: えみ丸 | 2006年12月18日 (月) 13時29分
とらさん
コメント&TBありがとうございます。
完全なニアミスでした。それにしても、滝の雄大さに圧倒されました。
凄かったです。
投稿: イッセー | 2006年12月13日 (水) 22時30分
私も日曜日に観てきました。完全なニアミスですね。第二室の正面の滝に感動しました。TBします。
投稿: とら | 2006年12月12日 (火) 22時34分