加山又造全版画展
加山又造全版画展
2005年6月15日(水)~6月27日(月)
日本橋高島屋8階ホール
日本橋高島屋にて、「加山又造全版画展」を見てきました。日本画家として確固たる地位を確立した加山又造画伯の、もう一つの顔とも言うべき「版画家 加山又造」。今回の展覧会では、その部分にスポットをあて、生涯に制作された全版画作品155点が展示されている。
今回に展覧会、展示作品点数が155点というのも驚きだが、さらなる驚きは、加山又造が色んなタイプの版画の技法をマスターしているということ。エッヂング、アクアチントで制作された「黒いオオカミ」や、エッヂング、アクアチント、メゾチントで制作された「蜘蛛と蝶」、メゾチント、ドライポイントで制作された「三つの苺」、メゾチント、ビュランで制作された「メタモルフォーシス」等々、素晴らしい。他にも「翡翠1990」や「KAKI」も色使いが素晴らしい。また「花」は、桜とその脇で燃え盛る炎、そしてバックの暗闇がの調和が絶妙です。この炎の描き方は、速水御舟「炎舞」のようで美しい。またリトグラフは、木村希八の工房で制作されている。「赫」は色彩鮮やかな作品。特にバックの赤が素晴らしい。「蝶と鍬方がた」も良いです。また、リトグラフで多くの、裸婦画が制作されている。この裸婦画が実にエロチシズムでいいです。顔の表情、その他いろんな部分でいいです。
そして圧巻が最後の木版画。どれもスケールが大きい。「雪」は、30版50刷、絵の深みというか奥行きのようなものが感じられる作品。着物の色が鮮やかな「日本人形」は22版40刷。他にも「涼三題 風」「涼三題 青」「涼三題 流」や、「白牡丹」等々素晴らしい。それこそ挙げていったらきりがないくらい。そして最後に「夜桜」。木版画でここまで表現出来るのが驚きです。ちなみにこの作品だけで72版85刷。もうここまでくると、木版画というより立派な1点ものです。奇跡の産物とでもいいましょうか、再現不可能のような気がする。
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