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ジェームズ・アンソール展

ジェームズ・アンソール展
2005年4月23日(土)~6月12日(日)
東京都庭園美術館

2005_06030060東京都庭園美術館にて、「ベルギーが生んだ異端の画家 ジェームズ・アンソール展」を見てきた。

ジェームズ・アンソールは、「仮面の画家」と表現されますが、スタートは「リアリズム」です。そこに外光派的な表現方法を取り入れた作品によって、地元では一目置かれた存在になっていきます。「扇を持つ婦人」や「ウィリーフィンチの肖像」「花飾りの帽子をかぶった自画像」等は、顔の表情が実に豊かに描かれている。また、「防波堤」「海景日没」「沼地」といった風景画もいい感じです。特に「海景日没」は、海の様子、日の沈んでいく様子が良く描かれている。

その後、日本や中国といった東洋美術の影響を受けて、彼の作品に変化が見られるようになります。日本から影響を受けたものを「ジャポネズリー」、中国から影響を受けたものを「シノワズリー」とされていますが、アンソールにとっては、作品を見る限り明確な区別は出来ていなかったようです。また今回「北斎漫画」を模写した素描が、展示されているのも興味深い。またこの時代の作品で、「悲しみの人」という作品が凄いです。ちょっと漫画チックなところありますが、この顔の表情が凄い。血の涙や血の汗を流して悲しみを表現している。

そして、アンソールの芸術が、グロテスクな物へと変化していきます。ここでいうグロテスクとは、「常識的で秩序に支えられた日常的なものが、異様で不気味で滑稽な物に変貌していく過程がグロテスクで、単なる猟奇的趣味ではない」と記されている。例えば、仮面をかぶりその人の人格を覆い隠す事で、非日常的な狂乱の世界に入っていけるというものである。そう言った意味では、仮面はグロテスクを表現するのに、重要なモチーフとされている。「大聖堂」「愛の園」「甲殻類を眺める仮面」「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」、チラシにも使われていた「仮面と死神」等は、仮面をかぶる事によって異様な雰囲気をかもしだし、何ともグロテスクな感じ。またこれらの作品は色鮮やかに表現されているため、余計にグロテスクさを際立たせている。また今回は、アンソールが所有していた7つの仮面も展示されている。

また、キリスト教の物語を題材にしたものも描いており、「嵐を静めるキリスト」。この嵐の様子の描き方は凄い、ダイナミックに描かれていて、さらにキリストからオーラが出てる。こういう描き方は大好き。さらに「楽園から追放されるアダムとイブ」。この作品も凄い迫力。ただ、アダムとイブが楽園から追い出されて、そそくさと逃げ出していく様子が滑稽に描かれている。これもアンソール的には、グロテスクな表現なんでしょうか。

いろいろなタイプの絵が展示されていて、面白い展覧会でした。また、ジェームス・アンソールのロゴのrの文字の上に骸骨の絵が描かれていたりと、こういう細かい点も大好き。それにしても、この前のBUNKAMURAといい、この後の世田谷美術館といい、今年はベルギーが多い年です。

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