« Judas Priest@日本武道館 | トップページ | 曽我蕭白展 »

村上華岳展

村上華岳展
2005年4月12日(火)~5月22日(日)
京都国立近代美術館

京都国立近代美術館にて「村上華岳展」を見てきました。今回の京都日帰り美術館巡りの一つの目玉です。「製作は密室の祈り」という言葉を残し、芸術と宗教の融合を目指した孤高の異才、村上華岳の生涯を振り返る、大規模な回顧展です。

Murakamikagen_2

時代区分としては、四つの時代に大別されています。

Ⅰ.美工・絵専から文展時代
この時代というか、この展覧会の一番最初に展示してある「羆」。まずこの作品からして、見惚れてしまうほど良い。毛並みが良くて、圧倒的なスケール感をもちながらも、顔がすごく穏やかに描かれています。そして次の展示されている「驢馬に夏草」この三頭の馬の表情も非常に穏やかに見える。いきなり凄い描写力。この時代のものとしてもう一枚印象的なものとしては、「夜桜之図」。三味線を弾いたり、踊りをする舞妓さんたち、それを見ながら酒を飲んだり、寝そべったりしている旦那衆、またそれらを見物しようとして、側を行きかう大勢の人達。もう最初から素晴らしい作品が多すぎ、ちょっと飛ばしすぎなくらいです。

Ⅱ.国画創作協会時代
「牡丹に蜂ノ図」や「牡丹遊蝶図」、「八重椿」といった作品に見られる、牡丹や椿といった植物もよく描かれている。植物は別にこの時代だけでなく、長きにわたって描き続けている題材。また「樹林」や「秋林」といった作品良いです。絵の濃淡をうまく使って、絵に奥行きが感じられる。今回の展覧会のチラシに使われている「裸婦図」、この女性の顔何となく菩薩のように見える。胸まで描かれているのだか、どうもエロスよりも手を合わせて拝んでしまいそうだ。

Ⅲ.花隈隠棲時代
四つに分けた時代の中では、この時代の作品が一番多く展示されている。
「白梅図」や「水盤菊花図」「墨牡丹之図」といった植物画は相変わらず素晴らしい。「秋谿之図」や「秋谿瀑流之図」は森の様子や、森の中の激しく流れる滝がよく表現されている。また、この時代も観音菩薩像が多く描かれているが、その中には女性の観音菩薩像も多く描かれている。これは、「裸婦図」を発展させた、霊性と官能性を持ち合わせた独特の観音菩薩像ということらしいです。

Ⅳ.最晩年
昭和12年からお亡くなりになる昭和14年までの、3年間の作品が展示されています。
「聖蓮華」。今回数多くの観音菩薩像を描いた作品が展示されていますが、それらの中で一番好きなのが作品です。「牡丹之図」や「牡丹花図」は良い、というか今回の展覧会でとにかく印象に残ったのは、牡丹や椿といった植物画の素晴らしい作品が多く展示されていたということです。また、「懸崖夏景図」や「紅葉の山」は、最晩年の作品とは思えないぐらい力強く素晴らしい。今回の図録の表紙にも使われている「牡丹」はもう言う事のないくらい素晴らしい。しかもこの作品は、絶筆だそうです。凄すぎる。

また、これら以外にも、書や下図などが展示されている。また4階のコレクション・ギャラリーで展示されていた「苺」も良かった。因みにこの展覧会、5月28日(土)~7月3日(日)の日程で、富山県水墨美術館に巡回されます。それにしても、これだけの展覧会なのに、2ヶ所だけみたいです。東京にも巡回しないみたい。本当は、いろいろな所巡回して、多くの人たちに見てもらいたいと思うのだが。なんとももったいないことです。

|

« Judas Priest@日本武道館 | トップページ | 曽我蕭白展 »

展覧会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 村上華岳展:

« Judas Priest@日本武道館 | トップページ | 曽我蕭白展 »