百花の絵
百花の絵展
2005年3月12日(土)~4月17日(日)
府中市美術館
京王線に乗って、府中市美術館に「百花の絵」展を見に行ってきました。
この展覧会のポスターを初めて観たときから、これは行くぞと決めていましたので、珍しく展覧会前半での鑑賞です。この展覧会は、「司馬江漢の《生花図》と百花の絵」と「同時代の前衛ー洋風画、風景画」の2部構成になっています。
まず最初に展示されているのが、司馬江漢「生花図」。府中市美術館がこの作品を収蔵して、今回が初公開だそうです。本当にリアルに描かれてます。また、この作品は、釣花生け図という構図のもので、画面の下の方に広めの空間をとってあります。あと、椿椿山「花籠図」、上杉勝賢「花籠図」と3点並んで展示されている。素晴らし過ぎとでも言いましょうか。
他にも、岡岷山「秋花草虫図」、正田柳湖「岩に牡丹図」、岡本秋暉「百花一瓶図」、露珍「花鳥図屏風」、さらには12枚からなる、荒木寛畝「草花図屏風」等々、素晴らしい作品は多い。もっともこうした、生きている美しい花の姿を、そのままリアルに再現するといった表現方法は、江戸時代中期以降で、江戸時代前期は、飾りとしての美しさが表現されていたということです。
また他にも、遠近法を利用した方法で描かれた、司馬江漢「花鳥草虫図」や、亜欧堂田善「墨堤観桜図」、五百城文哉「百花百草図」。さらには椿椿山「玉堂富貴・遊蝶・藻魚図」「野雉臨水図」と、見応え十分の作品が数多く並べられています。
江戸時代中期というのは、一つの分岐点だったような感じです。同時代に描かれた絵を見比べながら、ゆっくりと花の絵を観るのも悪くないです。
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