創刊号のパノラマ
創刊号のパノラマー近代日本の雑誌・岩波コレクションよりー
2004年9月4日(土)~10月11日(月)
うらわ美術館
うらわ美術館で、10月11日(月)まで開催されています、「創刊号のパノラマー近代日本の雑誌・岩波コレクションよりー」を見てきました。
1867年(慶応3年)から1956年(昭和31年)の間に創刊された雑誌の中から、岩波書店に保管されていた雑誌の創刊号ばかりを展示してあります(一部創刊号だけでなく何冊も展示してある雑誌もあります)。
それにしても、よくこれだけありますよねえ。ガリ版刷の薄い本から、明治時代からすでに色の付いた表紙のものまで。また、こういう印刷技術の発展の影には、やはり戦争と言うものがあるのは否定できない。当時は立派な軍事国家ですから、戦争の様子を伝えることも重要な事でしたから。
また、当然のことながら、戦前までは横書きの場合は、右から左に流れます。あと、タイトルがストレートな表現が多い。そんな中で、宮武外骨主筆の「スコブル」という雑誌面白いです。時は大正時代、軍国主義にひた走る前の、短い間でしたけれど、大衆文化が花開いたいわゆる大正ロマンの頃の雑誌だと思いますが、軟らかい表紙で中身は見れませんけど、表紙だけ見ていても楽しいし、この時代によくこういう表紙の雑誌を出したと思う。この雑誌は創刊号だけじゃなく、第2号、第3号とあと数冊かざってあります。
戦後になると、横書きの場合の文字の流れが、今と同じで左から右にながれますし、カタカナやひらがなが頻繁に使われたり、カラーの写真が使われたりしてます。カラーのイラストは戦前でもあったんですけど、カラーの写真というのはあまりないようなきがします。
今の雑誌の方が間違いなくおしゃれで、洗練されてて、はなやかですけど、当時の雑誌も負けないくらいのインパクトあります。雑誌作りにかける情熱は、今の編集者も昔の編集者も変らないでしょうから。
それにしても、チラシにも使われてるけど、「男」という雑誌の表紙凄いわ。まいった、っていう感じです。
うらわ美術館、いまひとつ地味な存在ですけど、ここの企画展毎回結構面白いです。前回の「ポートレイトの現代」展も見に来たかったんですけど、これずじまいでした。なので、図録まだ売ってたので、図録購入しました。今回の図録、神保町の岩波ブックセンターでも売ってたので後で買えたら買います。それにしても3000円は高い。
今回の「創刊号のパノラマ」展は、10月11日までやってますので、興味のある方は行ってみたらいかがでしょうか。
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